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「玲、観念しろ。黒ってのは闇色だ」
ーー玲みたいな光は喰われるんだよ。
燈也は愛しそうに玲を見つめていた。
誰に対しても光を与える存在になり得る玲。きっと彼女に心酔した者達に大切に守られる。
玲は嫌がるだろうが、守られる=お姫様として囲われる彼女を燈也は想像する。荒っぽいお転婆なお姫様、おかしくて笑えてきた。
これから先の未来。玲の周りに誰がいようとも、燈也は今のポジションを譲る気はない。例え騎士にも、魔法使いにも、大臣にも、番犬にも……玲の隣は荷が重すぎる。
姫の隣は王様が定石だ。
だから、俺が……黒の王様の自分が、相応しい。
それでも奪うというならば、全員蹴散らしてやる。
「やれるもんなら、やってみろ」
燈也は玲を抱き寄せながら、それはそれは人相の悪い、黒い笑みを浮かべた。
Fin
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