神界で

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神界で

魔法少女ひまわり組の芸術 エラル降臨 舞台無茶苦茶編新装版  神界に、けったいな雄叫びというか、悲鳴というか、要するにそういう声が響いていたという。  その時、豊かな金髪の、有り体に言って痴女みたいな女が、そこに現れた。 「あれ?さっきの声は、何でぃすかねい?」  痴女は、そんなことを呟いて、物陰から現れた女を見て、妙に納得していた。 「あああ。またあんた等でぃいすか」  イルミナティ。  ルルド・リュミエール式魔法塾学校、通称アカデミーの生徒を知る者であれば、すぐに気付いたろう。 「あら?エラル。やっほー」  異世界の神、イルミナティは、ビックリするほど彼女に、エメルダ・パストーリに似ていた。 「じゃあ、さっきの声は?」 「うん。マル君」  こいつ等、西の諸島作ってゴーラ生み出して暴走させ、マラガ火山が爆発して死んで、神になって何百年経ったか解らないが、まだやってるんでぃすねい。 「ちょいと、マルグリウスに用があるんでぃすが」 「搾り取っちゃったから、しばらくはホゲーってしてるよ?」  ゴーラの暴走の際に、欠損した左腕を空かきしながら、イルミナティは言った。  神であっても、幻肢(ファントムリム)現象はあるようだった。  要するに、片腕がないロン毛のエメルダ。知る人はそう思う美貌が、大きなおっぱいのポジションを元に戻していた。  けっ。私よりデケえからっていい気になるなでぃいっす。 「あー。そうでぃすか。じゃあ、どうすっかなあ?」 「日本のコンビニに行けば、DQNいっぱいいるよ?」 「コンビニやめろやあああああ!私はコンビニマ◯コじゃねえのでぃいす!」  異世界に住む愛の神、エラルはそう叫んでいた。 「マルグリウスのことだから、私の世界の人間について、何か知ってると思って」 「あ。それって、例の彼?私の子孫の子が子作りしたがってる?」  まあ、こっちの世界に不倫とかねえでぃすが。  私が愛の神だからって、性の乱れを推奨してるって訳じゃねえでぃすよ? 「まあそいつでぃいす。ソルスは、「あやつはいずれロリコンとなるであろう。焼く用意をせねば。こんがりと」とかアホみてえなこと言ってたでぃすがねい。自分を棚に上げて」 「ロリコンは、ソルスの方なのに」  こちらの世界の太陽神を、平気でロリコン認定する女神達の姿があった。 「まあ、私はそん時嫁がいたんで、必中の祝福授けといたんでぃすが、まあそいつのことを聞いてみたかったんでぃいす」  んー。イルミナティは、少し考えて。 「赤ちゃん、可愛かったよ?おちんちんも」  このボケ女神が。エラルは内心で蔑んだ。 「神の超認識使うのはいいんでぃすが、そりゃあ未来の話でぃすよ?」 「そう――だっけ?」  駄目だ。こいつ等。  神界で平然と青姦決めるわ、ロクなもんじゃねえのでぃいす。 「じゃあ、私も直に会いに行ってくるのでぃいす!エラルカンパニー!」  そう言って、エラルは消えた。  しばらく、ぼーっとエラルがいたところを見つめていたイルミナティは、 「――あ。マルグリ君の、垂れてきちゃった」  アホ女神が、そう呟いた。  エラル、神々が創造した地に降り立つ。  要するに、物凄い迷惑な事態の到来を意味していた。
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