第一章./レスト・タイム

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 本人はいたって素。  素の顔だ。  恥ずかしがる素振りもない。  ・・・・・裸族なのかあなたは。  厚い胸板。  よほどに鍛練された彫像美のように割れた腹筋。  筋肉質で、逆三角形の見事なからだ。  その肌のうえをなだらかに、滑る、風呂上がりが故の水滴が、またとてつもなく、色っぽく映って、  (………二次元ならまだしも…。現実にこんな、均整のとれた異性が存在するとか、)  いまだに信じがたいが。  装飾のように、ゆるやかに外跳ねを持った艶やかなシルバーブルーの髪。  繊細に整った、野生的に雄々しくも美麗な面立ち。  ス、と通った高い鼻梁に、薄いダークレッド色の唇からは、いつも、  どちらかと言うと毒を吐きだすことも多い皮肉屋。  ・・・・・でも、なんとなく、  憎めない男。
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