第一章./閑話

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───────────── ───────  ────…あれからしばらく、アフタヌーンティーまでご馳走になって。  一泊もさせてもらった身の上だし、休日とは言え、  このまま  彼らの家にいてもさすがに、図々しいだろう。と思案した私は早めに帰ることにした。  最後まで、「家まで送ろうか?」と心配して配慮してくれたカーフェイさんからの申し出には、  ありがたいけれども丁重に断りを入れて。  それでも送ると言って譲らない彼に  「、じゃあ、アルバイト先の駅前まで、お願いしても良いですか」と甘えさせてもらうことに。  ────の、ハズが。  気付いたら、わざわざ(ウチ)の近くの駅前までリムジンごと  (仰々しくも)走らせてくれたものだから、  いや。  さすがにほんとうに今度、ちゃんとしたお礼をしないとな。と改めて彼らに  謝意を伝えてその場でお開きとする事とした。 ───────────── ───────  ────…そして。  今に至る。  心地良いバスの運転に揺られながら、流れゆく馴染みのランドスケープを  ぼやーっと眺めていたところ。  (……無断外泊、しちゃったな。母さん心配してるだろうな)  ぼんやり景色を流し見していきながら、  そんなことを黙考してはぁ、とふたたびため息を吐いた。  今の今までもこんな失態なんて一度もなかったし帰宅したら何か  聞かれそうかな。  別にほんとにやましい側面も何もないし、もし、ワケを尋ねて来ても正直に  話したらいいのかもしれないけど、  (……あん、まり、  変に心配されたくない。し、)  母さんは極度の心配性だから、結構、なんでも完璧主義者で。  母さん曰く、むかしはもっと自分にも厳しかったし他人にも無関心だったそうだ。  安定第一。  夜遊びとか街にぷらぷら出歩くことすら興味もなかったぐらい、生真面目さんだったのだとか。  ・・・・・・でも、父さんと出逢って、父さんに絆されて、  色んな場所連れてってもらって、危なっかしいことしてみたり  やった事ないことをやらされたり。  ────…あぁ、そう言えば。  あの生真面目母さんが  バイクのハーレーに乗ったことがあるとかかんとか話してた事あったっけ。  しかも付き纏われてたのは母さんの方で、挙句、デキ婚させられた・・・・とか。  父さんの話は、  父さん亡くなってから母さんあまり話さなくなったけど、  それでも  父さんの写真を残してるぐらいには、母さん凄く大事にされてたんだな。って言うのが  わかる。
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