第一章./閑話

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 たしかに、門限だとか家庭事情でのルールだとか。  ほかの家庭とはことなり、ちょっと変わった(ルーツ)はあって、その点厳しかった。というのは取り違えのないものだったけど。  どちらかと言えば母方の父母(────私にとっては祖父母)のほうが  むかしから印象大であったことが大きい。  私は、家族や親戚のなかではたぶん、あまり『フツー』ではなかったのだと自負している。  奇特、で、わりと物分かりの悪い、実直者だったのだと。  ────変わり者だった。  従兄弟(いとこ)の姉のような、聡くてどことなく愛想のよい器用に躱せるタイプでもなければ、  再従兄弟(はとこ)みたく、『自分は自分』という個性を持っているワケでもない。  かと言って、妹や弟のように物分かりのよい子どもでもなく。  いわば、グレーゾーンの立ち位置だ。  半端なのだ。
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