第一章./体調不良

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 そこまで思案し、無意識にぐっと寄っていたのであろう眉根が力みすぎてか、  妙に目のつかれをおぼえたアーウェイは、少女に渡っていた指先を自身の眉頭にもっていき  グニグニ、ほぐしていく。  ・・・・若干、  痛痒いぐらいでちょうどいい。  そんなふうに雑に、セルフマッサージをする男は小綺麗な顔を  それでも顰蹙(ひんしゅく)させながら、  もう片方の手の指は、足枕に寝かせている伊万里の頬に  なめらかに滑らせていく。  柔らかで、まるく曲線を描く少女の素肌には、一切の化粧すら乗せられていない。  それが絶妙に潜んだ本能をくすぐり、  噛みちぎってしまえたら、と無粋にはたらく衝動が彼の下半身をもドクドク、と脈打たせはじめるので  なんとも、たちが悪い。  (……ンあーー、クッソ)  沸き立つ欲求を、意地でも誤魔化すために煙草を一本、懐からとりだし唇に挟んでみるも、  伊万里が喘息もちだという理性が脳に浮上すると、(たちま)ち彼は、「チッ」と盛大な舌打ちをこぼして吸ってもいないソレを、吸い殻入れに放り込んだ始末。
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