第一章./レスト・タイム

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 両側にはガラス張りの窓が、天井までつながり、扉としても  併用できるようデザインされている感じである。  目のまえには、天井から大理石の床下まで縁取られた奥行きがあり、  液晶ビジョンが大々的に設置されていて。  木目柄の天井には、ダウンライトが室内の空間を照らしだし、  背後には観葉植物と、すこし奥行きをもたせた和紙柄色の壁として成り立っている。  左を向けば、どこぞのリゾート地のように敷地を設けたプールの水面と、緑豊かな自然の風景すらうかがえる芝生、森林が  とても、広大。  ・・・こんな、とこに。  自ら赴いた覚えは、・・・・・さすがに、  無い。  「……、待って。帰った?違う帰ってない。たしか、確か頭痛くて、アーウェイさんに車乗せてもらって、  …ぃ、ぇえ?それ、そっから?」  と、とりあえず状況整理しよう。  ま、まず整理整頓しよう?伊万里。  いや待てまったく記憶がない、  いやいやいや、  ・・・・そもそもソコがおかしい。  なぜ覚えがない?車に乗りこんだまではなんとなく、記憶にある。  それで、何かアーウェイさんとごちゃごちゃ話して。  それで・・・・  それから・・・・・・・、  っえ、待って。  勝手に侵入しちゃった?  いやいやそんな非常識なことは、さすがに頭が痛くて、しんどかった  にしてもしない。  通報されるでしょうよ。  あまりにおかしな非常事態に、必死に記憶の頼りを巡らして目を右往左往させたけれども  まったく、思い当たる節がなく。  再び頭を抱えてしまう羽目になった困惑する私の耳に、  ────…ふと、  パタンッと扉の閉まる音と、  人の気配がして────…、  「────あぁ、目ぇ覚めた?」
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