第一章./レスト・タイム

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 ────それは、ともかくとして。  「…て言うか、何か仕込んでたでしょ。車のなか」  「あ゛ぁ?」  「…っグ」  相当、痛かったのか。  思わず奇声をあげてしまったのには、致し方あるまい。  何せ、忌々しい。とでももの申したげに麗しいそのお顔を顰蹙(ひんしゅく)しなさってる  ものだから、  私のことを卑しめるような凄まじい貫禄で、もう、猛獣ですらも  泣きつきたくなるほどの風格である。  ・・・・・し、しかし。  めげてなるものかっ。  「だっ!……ぃ、…ぁのリムジンになんか仕込んだでしょっっ」  物は言いようだ。  言ってしまえばガン飛ばしから逃れられる!  「す、す、睡眠薬!か何か!何か刺激臭みたいなのした!!」  「────ってぇーなオ゛イ」  「……………  ………………………………すみません」  ・・・・・・やっぱムリだった。  グイッ。顎を引き上げられては無力な私に逃げ場は無い。  勝ち目もない。  ソファーの背もたれから思いっきり、土足で乗りこむ勢いで  顎を見事に、掬われ。  挙句の果てに、上裸の肉体美に乗りかかられたからには、もはや、白旗である。  ギブ。  ギブアップ。  That's give up!
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