第一章./レスト・タイム

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 すっかり、スッポリ頭から抜けていたけどそう言えば母に、連絡しようと思っていたんだった。  謝ったかとおもえば、忙しなく  大声を出したものだから。  目の前のカーフェイさんも  宝玉のように濃い、(ネイビー)色の目をまん丸く  喫驚の様子を醸して私のことを見下ろしていて。  「…あ。すみませ」  「……どうした」  「いや、えっと…」  すぐ後ろのソファーでは悶絶しっぱなしだったアーウェイさんが、  「…っるせェなァ」とドスの聞いた声で反論してくるけど、  それには知らぬふりを通しつつ、  「……あの、で、電話って。貸していただくことは」  できないですか?  そう、続けようとした言葉尻を素早く、拾い上げたのは、  ─────痛みに悶絶していたはずの、彼のほうだった。  「─────あぁお前の家族には夕べおれが連絡しといたから安心しろ。『お嬢さんを丁重にこちらでお預かりさせていただきます』ってな。…フッ。まぁお前『お嬢さん』って柄じゃねーけど」  「一言余計。……ってか、……  えっ!?!連絡したの?!!」  「だからそー言ってんだろ」
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