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傘を弾く雨音が、響く。
風が無くて良かった。と考える。
鞄まで濡れてしまうと、後が面倒だ。
なんか、すっごい昔、車の中で聴いた曲の中で
冬の雨 なら今 ここで 死んでいたかもしれない
なんて歌詞があったような記憶が、ふと思いだされる。
子どもの頃は、んな大袈裟な、と思ったのに
なぜか心に残ったのは、きっとこの先わかる日が来る予感があったのかも知れない。
ともかく、凍え死ぬような寒さもなく
濡れた服は着替えて洗濯機にぶち込んでしまえばいいや、と思える今の状況は、まだありがたい。
ありがたい、と言いつつも、少し休みたい。
雨の中を歩くのは、晴れているときよりもやっぱり気力体力精神力が必要なのだ。
少なくとも、あたしには。
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