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ユニシフス
大好きなこのやさしいヒトとずっと一緒に居たいのに、いつかユニシフスと離れるかもしれないことを考えると、せつない。
またどこかで逢える、と信じようとしても宇宙は広すぎるよ。
ある日のおでかけ、玄関から車までの道で、ヨニイはユニシフスの手をにぎった。
「ユンさんつかまえたー」
「ん? なんだ?」
「いい手。厚みがあってさ、やわらかくてさ。ユンさんそのものみたい」
「そりゃ、俺は善人だから」
「手だけはね」
「こらこら、もー」
いつもの、ふたりのおふざけだ。
ユニシフスの大きな動物みたいな、云うなら象みたいにおだやかで深い目。
それでもってクマさん体型。
ヨニイにこれ以上の癒し系な存在はない。
そんなユニシフスに出逢えたこと。
生きて何十年かで感じる、祖父の加護。
しかしイキチは生前、孫をどう思っていたのか?
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