柚野木 泉

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 俺とヒロが泉と出会ったのは高校一年生の時だった。  小学校、中学校と同じ学校に通っていて、更に高校でも同じクラスになったヒロに「本当、俺らって腐れ縁だよな」と言い合ったのを覚えている。  泉も同じクラスだったのだが、すぐに仲良くなったわけじゃなかった。  入学して二、三か月が経った頃だったと思う。ある日の昼休み泉は一人で本を読んでいた。 「ヒロ、購買行こうぜ」  俺がヒロとそう話しながら泉の席の傍を通った時だった。 「え、それ『誰が為』の原作じゃね!?」  泉の前で突然ヒロが声を上げたのだ。泉は驚いた顔で俺らを見ていた。 「うん……そうだけど」 「俺らそのアニメめっちゃ好きなんだ! 良かったら昼飯一緒に食わね?」  な! とヒロは俺の方を見て満面の笑みでそう言った。 「俺は別にいいけど……」 「僕は……」 「よし、なら決まりな! 購買行こうぜ!」  そしてヒロは半ば強引に泉を連れて購買へと向かった。
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