一緒に寝よ?

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一緒に寝よ?

 しかし、これにも少年が喰いついて来る。 「あ、寝るの? 俺も寝るから、コロコロ貸して。さっきの女の人の髪の毛とか残ってたらやだもん」 「一緒に寝る気かよ!?」 「うん」  とにっこり。 「俺は男と一緒に寝る趣味はない!」 「あ、差別だ~」 「大体、おまえの話信じたら、おまえは雪うさぎだろ、暖かい布団で寝ても溶けないのかよ!?」 「ふっふっふっ。それが大丈夫なんだよね~。俺の本体はあの雪うさぎだから、あいつが溶けない限り俺はぬくいのだって熱いのだって平気」  と、今度はいたずらっぽく笑う。世の中のショタコンと呼ばれる女性達……いや男たちだってこんな笑顔を見せられたら秒で落とせるだろう。……潤にはきかないが。 「第一潤、俺お客さんなんだよ? お客様を狭いソファで寝かせるつもり?」  ずいと少年が迫って来る。フワフワのウサギの耳が頬に当たり、潤の『現実』と『ファンタジー』の狭間が危うくなる。  ダメだダメだ。これは夢だ、悪夢だ。  朝になればこの雪うさぎ少年は跡形もなく消えているはず。 「ねーね―潤、じゃさ、二人でベッドに寝ようよ。俺体温高いからあったかいよ~。潤のためなら抱き枕になったげる」  元は雪でできてるくせに体温が高いのかよ……。いろいろと矛盾を感じながらも潤は折れた。 「……もういい。俺がソファで寝るよ」  この見た目は可憐で儚い美少年だが、実際はかなり図々しい雪うさぎにベッドを譲ることにした。 何もかも夢だあることを期待して。  明日の朝目覚めたときには自分がベッドで寝ていて、隣には豊満な体の美女が寝ている現実があることを願って――――。  
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