蕩ける愛であなたを覆いつくしたい~最悪の失恋から救ってくれた年下の同僚に甘く翻弄されてます~

14/67

1314人が本棚に入れています
本棚に追加
/67ページ
 熱心に誘ってくれる彼を見つめながら、わたしは首をかしげた。 「どうしてそこまで言ってくれるの?」 「うーん。一人にするのが心配だから、かな」 「一人にするのが心配って……えっ? わたし、自殺でもしそうな顔してる?」 「そんなことないですよ、今は。でも一人になったら衝動にかられるかも知れないでしょう。ね、お願いだから俺の言うことを聞いてください」  お願いまでされてしまった。  これ以上、押し問答を続けること自体が迷惑か。  結局、わたしは彼の好意に甘えることにして、「わかった。じゃあ、お願いします」と頭を下げた。  彼は顔をほころばせて、頷いた。 「家、大崎なんでちょっと遠いけど。この時間なら渋滞もないし、時間そんなにかからないと思いますよ。車、あっちに停めてるんで」  彼はわたしのキャリーバッグを手にすると、駐車場を目指して歩きだした。 ***    それから20分ほどで、目的地に到着した。 「ここです」 浅野くんは、(そびえ)え立つ高層マンションの駐車場に車を進めた。    え、ここってもしかして、最近できたばかりの話題のタワマンじゃない。  まさか、自分でここ、借りてるんじゃないよね!?
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1314人が本棚に入れています
本棚に追加