蕩ける愛であなたを覆いつくしたい~最悪の失恋から救ってくれた年下の同僚に甘く翻弄されてます~

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「どうしたの。急にそんな顔して」  彼はわたしを見上げた。 「あ、ごめん」 「やっぱり怒ってる? それとも俺、良くなかった?」  いたずらっぽく目を輝かせて、一樹が言う。 「ち、違うよ。そうじゃなくて、宣人のことが急に心配になって」 「大丈夫。心配ないよ」 「でも、執念深いんだよ、本当に」  わたしの言葉に、一樹は不機嫌そうに眉を寄せた。 「よくわかってる口ぶりだね。伊川さんのこと。なんか……」  彼は寝そべったまま、両腕を伸ばし、わたしの首の後ろで交差させた。 「ものすごく妬ける」 「もう、真面目に言ってるんだけど」 「怒った顔も可愛い」 「もう……」  引き寄せられるまま、わたしは唇を重ねた。  彼の手が覆いかぶさるわたしの背中に下りてくる。  そして、わたしを抱きしめたまま身体を反転させ、組み敷いた。 「愛してる……俺の茉衣」  頬を寄せ、耳に甘い言葉を注ぎ込み、それから首筋に唇を這わせてゆく。  わたしの身体の奥でくすぶっていた劣情が、また熱を帯び始める。 「あ……」  声を漏らすと彼はわたしの手をそっと自分の昂ぶりに導いた。 「ほら、そんな声、聞かされたらまた欲しくなってきたよ」  そして、彼の指が、まださっきの余韻を残しているわたしの狭間をさまよいはじめ、ふたたびふたりで激情の渦に身を投じていった。
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