蕩ける愛であなたを覆いつくしたい~最悪の失恋から救ってくれた年下の同僚に甘く翻弄されてます~

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 でも、今は2月。それも深夜だ。今年は暖冬で、昼間は異常なほど暖かい日もあったけれど、夜は冷え込む。だんだんと指先やつま先の感覚が無くなってきた。  ひとまず24時間営業のファストフード店かファミレスを探そう。  ようやくそんな気が起こり、ポケットからスマホを出し、かじかむ手で検索をはじめた。  そのときだった。  向こうから足音が近づいてきたのは。  「やっぱり、梶原さんだ」  親し気に声をかけてきたのは、浅野くんだった。  「えっ、浅野くん?」  うわ、こんなときに知り合いに会うなんて最悪。  まずそのことが頭にのぼってきた。  今さら無駄だとは知りつつ、わたしは慌てて手の甲で涙をぬぐった。  「暗いのに、よくわたしだって気づいたね」  鼻をすすりながら、わたしは尋ねた。  「まず、遠くから見て、全体のシルエットに見覚えがあるなと思って。それにそのコートも、梶原さん、よく着てるでしょう。あ、でも決め手は、スマホの光で顔が照らされたからですよ。こんな時間に、誤って知らない女性に声をかけるのはさすがにヤバいので」  その観察力と冷静な判断、いかにも彼らしい。  ぼんやりとそんなことを思いながら、ふたたび尋ねた。  「で、浅野くんは? こんな時間になんでこんなところに?」
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