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「裁判長、もうよろしいんじゃないですか、こうなったら天国行きで。本人も望んでいるわけですし」
裁判長と呼ばれたパリピ大仏の右側に立つ女子高生が声をあげる。
正確は女子高生風の鬼だ。
服装は制服姿だが肌は真っ赤で額の両端から長い角が生えている。こっちは鬼ギャルという言葉がぴったりだった。
「異議あり。彼女は生き返らせなくていいといっているだけで、天国行きを望んでいるわけではありません。それにやはり心情を鑑みると地獄行きが相当かと。そちらで面倒見ていただくのが筋では?」
今度は反対側から幼稚園児が挙手をしている。正確には幼稚園児の青いスモッグを着て頭にはあのおなじみの黄色い帽子をかぶった成人……いや、中年男性。どこからどうもみてもおじさんだった。
その異様さに「バブみ中年」という言葉が浮かんだが、さっきから色々と使い方を間違えているかもしれない。
「……筋? なに、筋って?」
バブみ中年の言葉に鬼ギャルが青筋を立てて眉を上げる。
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