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「そんなことよりお前、卒論はどうなってるんだ?ちゃんと書かないと卒業できないぞ?」 …いきなりの説教に萎えます…。 「…こんなとこ来てる暇あるのか?」 「わ…わかってる。ゼミの先生に相談するところだから、吉良…は黙ってて…」 言ってから思わず目をつぶってしまったのは、タメ口と呼び捨てに怒られるかもと思ったから。 「あそ。じゃ、いいんじゃない」 吉良さんは拍子抜けするほどあっさり言って、通りすがりに頭をグシャっと撫でてお風呂に行ってしまった。 たまに…恐る恐るタメ口をきいてみることがある。 5歳も年上だし、社会人と学生だし、お付き合いしているとはいえ、なかなか砕けた感じで話せないけど。 今日はダメと言われたのに来て、タメ口をきいたにしては、不機嫌になってないみたい…。 バーの件で意地悪言ったからサッパリしたのかも? セーフ…と、心のなかでホッとした。 ………………… そこで気をよくした私は、先にリビングの隣にあるベッドで横になることにした。 寝ていいとか泊まっていいって言われる前に勝手にベッドに入るなんて初めて…。 …帰れって…言われるかな? セミダブルベッドみたいだけど、私がいたら狭くなっちゃうな…。 そんなことを思いながら目を閉じた。 「…マジか…」 お風呂から出た吉良さん、ベッドにいる私を見て…困ってる…? はぁ…っと大きくため息をつきながらベッドに入ってくるから…だんだん居心地が悪くなる。 邪魔…だよね。 吉良さん大きいのに、私がいたら伸び伸び寝られないよね… ソファで寝ようか、それとも帰ろうか…と、体を起こしかけたら…
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