908人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
突然目の前に吉良さんの胸が迫ってきて驚いた!
…え?抱きしめられてる?
そのうえ、おでこにチュッって。
頬にもチュッって…。
「…モネち…」
小さい声で言ったの、聞こえちゃった…!
何なんだこの甘い展開は…。
これまでほとんど無かったこと…
何度も口づけられる。
唇以外に…。
ニヤけそうになるのを必死にこらえて、モネモネ言う吉良さんのささやきを聞きながら…意外な幸せの中、眠りについた。
……………………
朝起きるともう吉良さんはいなくて、昨日の意外な幸せに1人包まれていた。
ただ、美麗ちゃんとの2人だけの飲みと連絡先交換の件は…結局聞けなかった。
と、いうより…吉良さんと一緒にいられる喜びのほうが強くて、聞きたいことなんて完全に忘れちゃってた…
そこで、手紙を残して帰ることにする。
『話したいことがあるから週末会いたいです』
悩んでることを打ち明けて答えをもらおう。
…………………
1度家に帰って大学に行った。
遠くに美麗ちゃんを見かけて、昨日突然帰ってしまったことを謝ろうと駆け寄った。
「美麗ちゃん…!昨日は急に1人にしてごめんね…」
「…ううん、いいよ。あの後綾瀬先輩にも慰めてもらったし!」
ほら…っと、メッセージアプリのトーク画面を見せてくれた。
確かに…昨日の夜吉良さんが返信したらしいトークがあった。
時間はかなり遅め。
…昨日私が寝てからのことみたい。
…美麗ちゃんが送ってる文章は長めでよく見えないけど、それに対して吉良さん…ビックリマーク付きの文章に、グッドポーズのうさぎスタンプまで送信してる…。
…私にはいつも短くて味気ない一言だけなのに…。
昨日モネモネの甘々だった吉良さんを思い出す。
私を腕に抱いて、別の人とメッセージのやり取りするなんて…。
苛立った私は、吉良さんが使ったのと同じうさぎスタンプの『激おこプンプン丸!』を選んで、吉良さんに唐突に送信してやった…!
最初のコメントを投稿しよう!