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気が変わらないうちに言われた位置に横になって、いつまでもソファで携帯をいじる吉良さんに、両手を差し出しながら言う。
「き…吉良…早く、来て」
敬称略で名前を呼ぶだけでこんなにドキドキして…私は3年もの間、何をやっていたんだろう…!
…ふと見ると吉良さんが携帯から指を離した状態のまま私を見て、固まってる…?!
「…今、なんて?」
「…吉良…早く…来て…?」
急に目をパチパチさせて、足を組んで横向きになって…片手を口元にあてて考える人みたいなポーズでフリーズした…
…なんかまずかったのだろうか…。
そして思い切ったようにソファから立ち上がって、こちらに来た。
「…おやすみ」
横向きで待つ私の首元に腕を差し込んで…そのまま胸の中に閉じ込めてくれる。
「…吉良…大好き…」
「…」
返事の代わりに、大きなため息が聞こえた。
…ウトウトしかけて、頬に口づけられた感触でふと目を覚ました。
「…はぁ…きっつ…」
吉良さんの声を聞いて思った。
そういえば今日も…しないのかな?
でも…手は背中をまぁるく撫でるだけみたい。
「モネち…かわい…」
またちっちゃく言われた…。
耳元で言うから聞こえちゃったよ…?
昨日に引き続き甘い吉良さんにどうしたらいいかわからなくなって…。
今度は私が固まってしまった。
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