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「…モネ…」
呼ぶ声は…低く掠れてる。
ギシ…っとスプリングを軋ませて、私が寝ているベッドに重みが加わる。
吐息みたいな低い声…頬にキスをする唇、大好き…
「吉良…」
私の背後に横たわった愛しい人は、慣れた手つきでウエストを抱きしめる。
「もう一回呼んで…」
耳元でささやく声が色気を孕んでる…
「吉良…」
ふふ…と鼻で笑って、彼が言う。
「…無防備に先に寝て…あり得ない…」
…そんなに不機嫌そうでもないけど…そう言われると、とっさに謝ってしまう。
「…ご、めんなさい…あっ…」
パジャマにしてるTシャツの中に手が入って、ブラのホックも外さないで下から手が入る。
…今日は急いでるのかな…。
蕩けそうになっていた気持ちが一瞬ハッキリする。
…自分で、ホックを外した方がいいよね…
じゃないと、機嫌が悪くなっちゃう…。
背中に手を回そうとしたけど、後ろからきつく抱きしめられてるから、私の手が入る隙間なんて作ってくれなくて…。
「…気が散るだろ…ダメ…」
あ…余計なことだったみたい…。
「…ご、ごめ…」
謝ろうと声を出したとたん、耳元に寄せられた唇が、耳たぶを食む。
舌先で突かれながら、荒くなる呼吸音を聞かされた…。
「…は…あぁ…」
胸にすっぽり包まれて、ぴったり密着するこの体勢…大好き…
…硬くなった吉良さんを感じる。
もうぅ…私だって限界…。
でも自分から動いちゃだめ。
吉良さんが触りたいところを、吉良さんのタイミングで…。
もしここで気が削がれたら、やめてしまうことだってある。
愛する吉良さんに途中で体を離されたら…急に興味をなくされたら…こんなに悲しいことはない。
ホントは…正面を向いてキスをいっぱいしたいけど、バックで抱きしめたいなら、吉良さんに従う。
キスしたい…けど。
最近の吉良さんはこんなふうにバックで襲ってくることがマイブームらしく…キスをしてくれるのは耳元ばっかり。
あ…手が下に移動した…。
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