12.

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………… その日早速帰って、テーブルの前に正座して、前に置いた携帯と直面した。 画面をちょん…と触るとふわぁ〜とロック画面が表示されるのはいつも通り。 「…いざ…!」 ロックを解除してメッセージアプリを開く…と、あらら…すでに吉良さんからメッセージが…。 『ずいぶん遅いな。まだ帰らないのか?』 とっくに帰ってますが…先にお風呂に入って身を清めてから…と思いまして。 そのように返信をすると、秒で返ってまいりました… 『アホか』の3文字。 『帰ったらすぐにメッセージして。明日から』 間に私の返信もスタンプも待たずに連続で送られてくるメッセージに…『はい…』と返事を送信して呆気なくメッセージタイムは終わった…。 とは言え、今までよりだいぶ近くなったと感じる吉良さん。 ベランダに出て、お隣の吉備須川さんの部屋の方に近寄ると、なんと吉良さんの部屋の玄関が見えるポイントがある。 それを見つけた時は…正直何か不穏なものを見てしまったらという恐怖が先に立って、この3年間、ほとんど見ることはなかった。 でも…メッセージを私からしてもいいってことになった今なら…見ることができる。 メッセージをくれたってことは、仕事も終わったってことだろうし、もうしばらく見てれば帰ってくるかな… なんて呑気に眺めること30分…。 姿が見れるかもしれないのなら、まだまだ凝視することは可能です。 「…あ、吉良さん…」 眺めていた吉良さんの部屋の前に、遠目でもスーツ姿がカッコよすぎる男の人が現れた。 あれ、もう1人…いる。 玄関前に、吉良さんと連れだって現れた人を見て、私の心臓がドクン…と嫌な音をさせた。 …女の人が、明かりのついた吉良さんの部屋に入っていく。 背丈、それから髪型…あの人、もしかしたら…。 ………… 気づくと、足が勝手に動いたみたいで…吉良さんのマンションに来ていた。 女の人を家に入れてたの見たよって。 誰なの?って。 玄関のドアを叩く勇気もないくせに…。 …その時、ベランダ側から女の人の高い声が聞こえた。 とっさに隠れながら、見上げると…あれ、吉良さんの部屋だ。 ちょっと離れてみると、スカートが翻ったのが見えた。 …特徴的な模様のスカート。 あのスカートが誰のものか、私は知ってる。 「吉良さんのも干しますかぁ?上着、脱いでください…!」 部屋に戻って手にしたのは…吉良さんの上着…。 どうして? どうして美麗ちゃんが吉良さんの部屋にいるの…
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