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「…あのさ。モモ…少し痩せた?」
「ん?まぁ、少しね」
「何キロ?」
「え?」
「体重、何キロ減ったのよ?」
ずいぶん細かいことを聞くなぁ…と思いながら「…5キロ」と言うと、えぇっ!と驚かれた。
「5キロってヤバくない?元々華奢なのに5キロも痩せたら、風邪引いたりインフルとかさ…体力なくなって、病気になりやすいじゃん!」
「…食べなきゃ…とは思うんだけどね」
そう言いながら、ハンバーグも半分ほどで手が止まった。
「…やっぱ、綾瀬先輩のこと?…別れたわけじゃないんだから、無理しないで会いに行けばいいのに…」
綾瀬先輩、絶対甘やかしてくれるから…と言われたけど…。
「…今は、会いたくないんだもん」
「イケメン見飽きた?…嫌になったの?熱が、冷めた?」
さすがに4年めになるしな…と言う錦之助。
「全然違う!」
「じゃあ?好きなの?」
「大好きすぎてツライ…」
私はそれだけ言うと、ズルズルテーブルに突っ伏した。
錦之助の手が伸びてきて、何度か頭を撫でられ…なぜか弾かれたように手を離して、あたりを伺った。
…今までも頭を撫でるくらいしてきたのに、何をキョドってるんだろ…?
錦之助にアパート前まで送ってもらい、部屋に入るまで見送られた。
それはまるで監視…みたいで、ちょっと首をひねる。
5キロ痩せたって言ったこと、相当心配されてるみたい…。
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