15.

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「…ヤッピー!メリクリ!」 ドアの向こうにいたのは…錦之助。 「…あ。思い出して…来てくれたんだ?」 内心のガッカリを出さないように気を付けながら、どうぞ…と手招きしたが…。 「…いやいや!やめとく。まだ、死にたくないし!」 それより…と言って、小さくてきれいな箱を差し出してきた。 「…なに?プレゼント?ごめん。私何も用意してないや…」 「…いや…違う違う!でも、そう。まぁいいから!メリクリケーキ食べて!」 箱を手渡して、錦之助は風のように帰っていった。 ふんわり甘い香りがする…。 テーブルに持っていって箱を開くと… 「…イチゴのケーキ…!」 生クリームがお花みたいにデコレーションされてる小さな小さなケーキだった。 …大好物なんだけど…! 錦之助、ケーキとか作れるんだ?! でも聞いたことある。 理系脳は、お菓子作りが上手だって。 錦之助はそれから、1日置きに部屋に来て、何かしら食べ物を置いていくようになった。 それは色とりどりのお弁当で、ちょうど私が食べきれるくらいのサイズのもの。 …それが、すごく美味しかった! でも、どこか懐かしい味で、切なくなるのはなんでだろう。
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