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…大晦日には、小さなお重を持ってきてくれた錦之助。
中は…びっくりするほど繊細に、きれいにおせち料理を詰められている…
「…ありがとう…!せっかくだから一緒に食べようよ。年越しそばは私作るからさ!」
錦之助は顔の前で大きく手を振って言った。
「…ムリムリムリ!絶対ムリ!こっから先に入ったら俺の命はないから…じゃ。よいお年を〜!」
小さく手を振って、錦之助は帰ってしまった。
呆気にとられながら…お重の中を改めて確認…!
大好きな伊達巻や海老、黒豆はもちろん、どうやって作ったのかまったくわからないゼリー寄せみたいなものが入っていた。
「テリーヌ…って言うんだっけ?」
どれも美味しくて、あっという間に食べてしまった…!
「…にしてもこれ…手作りだよね…」
まさか錦之助の?
料理が得意なんて聞いたことないけど…。
どちらにしてもこんなに美味しいものを届けてくれて、感謝しかない。
大学が始まったら、お礼に何かごちそうしなくっちゃ。
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