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「…携帯を持ちたくないのは、俺が原因だろ?だとしたらそれは、全部俺が悪いから」
だから、ごめんなさい…。
吉良さんが、ポケットから手を出して、姿勢を正して頭を下げてる…
「私こそ…ごめんなさい」
胸元に手をやって、ネックレスの存在と指輪に気づいてもらう。
「…せっかく買ってもらったのに、身につけたところを見てもらったこともなくて…」
言いながらコートのボタンを外して、ネックレスを見せた。
「…今のモネは、俺に包まれてるな」
眩しそうに目を細めて笑ってくれたから、ちょっと寄り沿いたくなった…。
神社を出て、なんとなく一緒に歩き始める。
「何祈った?」
歩きながら吉良さんに聞かれて、隠すことも忘れて素直に言ってしまった。
「吉良さんの健康と幸せを…」
言ってから、ちょっと恥ずかしくなる。
「…ブレないな」
見上げると、吉良さんは前を向いていたけど…だからこそ見えた。
耳が赤い…。
「…俺も、モネの卒論がちゃんと完成して、大学卒業できること、祈っておいたから…」
あ…ありがとうございます...と言ったところで、私のアパートについてしまった。
「あ…ちょっと、お酒を飲もうと思うので、コンビニに行きます…」
コンビニは吉良さんのマンションの近く。
もう少し、一緒に歩きたい…。
コンビニ前まで来て、吉良さんが言った。
「俺んち…酒余って、困ってるんだけど…」
吉良さんらしくもなく、ちょっと照れたみたいに、さりげなく視線を外して…言われてしまった。
「…じゃ、の、飲ませていただいていいでしょうか…」
フッと笑顔になった吉良さん…私の背中を軽く押して、マンションに向かった。
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