17.

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「…わーっっ!やっぱりいたっ!」 私を見るなり、金髪ピアスの男性に両手を取られた。 「…ホントだぁ。めちゃくちゃ可愛い…。目がおっきい…唇赤い…わっ!ほっぺがピンクになった…」 緩くパーマをあてたみたいなおしゃれな髪型の人に、顔を覗き込まれて後ずさる…。 「…ちょ待って。これは予想以上。吉良の気持ちバリわかる」 腕組みをする吉良さんの肩に手を掛けて、メガネをかけた男性が言う。 吉良さん含め、ぐるっと囲まれてる男性たち、どの人もびっくりするほどカッコいい…。 「…モネが怖がるから…あんま近寄んな」 そっと腕が伸ばされ、引き寄せられる。 ほうぅ…っと、なぜか上がるどよめき。 「お前が女の子をこんなに優しく扱うなんてな…」 「椎名っ!」 呼ばれたのは金髪ピアスの男性だ。 「…大丈夫!聞かれなきゃ言わない」 そう言いながら、私の頭に手を置いて「俺は憂。よろしくね」と言われる。 その手をパッと払いながら「憂うつの憂な?」 吉良さんが面白くなさそうに付け加えた。 「…モネちゃんはお前のってわかってるから安心して!」 誰も取りゃしないよ…と言うメガネの人は鬼龍って呼ばれてた。 「…今年はお前が帰ってこないって言うからさ、俺たちの方から来てやったんだぜ?」 椎名さんが魔法みたいにどこからともなくお酒を出して、飲みながら言う。 毎年、大晦日には実家に帰る私たち。 吉良さんは関東近郊の私を車で送ってくれてから、自分の地元に帰っていた。 吉良さんの仕事の関係で2日にはまた迎えに来てくれて、一緒に東京に戻るのがいつものパターン。 それが今年は、吉良さんも1人で過ごしてくれていた。 「…でもお前の愛しのハニーに会えてよかった!来たかいがあったわ!」 憂さんが言いながら、グラスをカチンを合わせてくれたので、私も手にとって、皆さんに向かって言った。 「も、申し遅れました。桜木桃音と言います。 もうすぐ大学を卒業する、22歳です。よろしくお願いします」 ペコリ頭を下げると…ニヤァ…と笑う男たちの笑顔に囲まれる。 「…こんな可愛いのがそばにいたら、たまんないだろうな…」 鬼龍さんが目を細めて言う。 「心配で心配で、ぎゅうぎゅう束縛したいのをこらえてさ…」 椎名さんがいたずらっぽく吉良さんを見る。 「…おいっ!」 吉良さんに睨まれた椎名さんが憂さんに、気になることを言った。 「…心配でしょうがなくて、友達にコンタクト取ったんだよな。何て言ったっけ?み…」 憂さん、意外な名前を出した。 「美麗ちゃん」 意外なところから、肝心な人の名前が出た…!
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