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「…私にはメッセージしてくるなって言ってたのに、美麗ちゃんとはそんなやり取りしてた…」
イジイジと、床にのの字を書いて膝を抱える…。
「…ごめん…。モネと日常的にやり取りしたら、気になるし会いたくなるし…会ったらもう…いろいろしたくなるし。だから…控えてもらってた」
前に『気がそれて嫌だ』と言われたことを思い出す。
それって、そういう意味だったんだ…。
「一緒にいるとき、美麗ちゃんにメッセージも送ってましたよね?」
「…あぁ。とにかく、頼んだ手前、突き放せなくて…。でも帰ったら家の前で待たれてたの見て、ハッキリ言ったんだ。俺が好きなのはモネだからって。駅まで送っていくのに、確かに車に乗せた…」
夜景ドライブも、やっぱり彼女の嘘だった。
吉良さんはそれ以来、メッセージには対応してないと言って、私に履歴を見せてくれた。
そこには、私のことを教えてくれた感謝の言葉と、これでやり取りは終わりだとハッキリ書いてあった。
美麗ちゃんからはそのあと何通もメッセージが入っていたけど…
「…ブロックした。変なことに巻き込んで、彼女に勘違いさせて…悪かったと思ってる」
「…じゃ、上着を慣れた様子でハンガーに掛けてたのは…」
「それは俺も意味がわからない。頼む、とも言ってないのに、上着を持ち出された」
憂さんが納得したような顔で言った。
「もしかして、モネちゃんが来るかもしれないって思ったのかもな…」
それでわざとベランダに出て、吉良さんと親しそうに振る舞った?
「…私は…」
皆の目が一斉に集まった。
「吉良さんの上着、美麗ちゃんに触られて、嫌だったです…」
「…んふふ…!上着を触られるのも嫌だってよ!吉良…どうする?」
椎名さんに突っつかれて、吉良さんが照れたような顔で私を見下ろす。
「…もう、お前ら帰れよ…!」
私の頬をスルリと撫でながら言った吉良さん。
鬼龍さんが平然と言い返す。
「やだ。酒飲んでだるいし、今日はこのまま雑魚寝。悪いな吉良、死ぬ気で我慢するか、俺ら起こさないようにやって」
聞いててボッと頬に火がつく!
「あぁ…じゃあ…」
唇が近づいて来る気がして、全力で避けた。
こんなにたくさんの人がいる前でキスなんて絶対無理!
「あーあ。吉良かわいそう!」
初めて会った吉良さん友人たちのお陰で、美麗ちゃんの真相もわかった。
何より意外だったのは、大学での私を知りたいとか、そんな吉良さんの本音…。
私ってもしかして、ちゃんと恋人で、しかも本命だった…!?
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