17.Side 吉良

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17.Side 吉良

リビングであいつらを雑魚寝させて、俺はベッドでモネと眠ることにする。 シャワーを浴びたモネには、俺のトレーナーとハーフパンツもはかせた。 「…すごい、ブカブカ…」 笑うモネ…首もとから鎖骨が見えて、慌てて目をそらす。 奴らと一緒に結構酒は飲んだけど、これで寝ることはできるだろうか… 仰向けになって、手をつなぐ。 「…吉良」 言いながら、繋いだ手をモゾモゾ動かす。 それすらも、今は俺の気持ちをかき乱すとは…まさか思っていないだろう。 本当にこの子は、こっちに余裕がない時ほど煽ってくる。 「…なに?」 モゾモゾ横向きになったモネ。 握った手を、胸元に抱きしめた。 「…大好きデス」 そぉっと上がってくる気配…頬に感じる柔らかい唇の感触…。 一瞬で、衝動に火がつく…。 必死に深呼吸をして、動き出してしまいそうな体を抑える。 「今日は、寝よう。酒飲んじゃったし、あいつらもいるし…」 「ハイ…」 大人しく返事をしたからホッとしたのに…モネのやつ…。 俺の腕を腕枕にセットして、勝手に胸元に頬を寄せてくる。 可愛い…この小さな小動物を愛でないでいられる男がいるのか…。 誘惑に負けて、横向きになったモネを胸の中に閉じ込める。 …こういう体勢は、背中に回した手が、ついつい背中を撫で回して、下に下りていってしまう。 肉感的なヒップ…ここに触れたらおしまいだ。 やめろ、俺。 まず酒を飲んでる。 酒を飲んでモネを抱くのは失礼な気がして、ずっと控えている。 でも、酒を飲むと抑制も効かなくなって、いつもの数倍理性を取り戻しにくい…。 しかもここしばらく仲が拗れてたから、モネが不足している。 誤解も解けて、あいつらさえいなければ、今頃思い切りモネを抱けたのに…。 「吉良、チュウ…」 よりによってモネが酔ってる。 平常時の数百倍の甘さですり寄ってくる。 「…あ、コラ…」 近づく唇…これを避けるなんて…できるか。 「…はっ…吉良…」 はじめから唇を割って侵入した。 絡め取り、舐め回す。 痺れるほどの快感は、ダイレクトに下半身に伝わって、痛いくらい勃つ…。 ダメだ…我慢できない… もうこのまま抱いてしまおうか… 吹けば飛ぶような理性に頼っても無理だと判断。彼女に覆い被さろうとして… モネの寝息が規則的に聞こえてきた…。 そうだった…この子は、そういう子だ。 決して煽ってるつもりも誘ってるつもりもない。 俺には抑えきれない衝動があって、それが全部自分に向いているとは、多分わかってない。
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