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3年前、学祭で俺を見たモネの驚いた顔は忘れない。
あの出会いが、実はこの俺によって仕組まれたものだと知ったら、彼女はどう思うだろう。
モネを見つけたのは、実は俺のほうが先だ。
いつもなら行かない学食で、美味しそうに食事をしている小柄な女の子を見つけた。
斜め後ろの席で、見るともなく見ていると、食べながら何度も小さくガッツポーズしているのが見えた。
その仕草が可愛くて…目が離せなくなった。
食べ終わると手を合わせてごちそうさま、と言ってる姿も健気で…それからよく学食に行くようになったんだ。
当時からなぜか女の子に囲まれる事が多くて、あまり目立ちたくなかった俺は、1日のほとんどを研究室で過ごしていた。
そんな俺が学食に通いだしたのだから、周りも変だと思ったかもしれない。
でもなぜか、気になってしかたなかったんだ。
そして、近づく卒業…。
学食に男と2人でやってきた彼女を見て、心臓がドクン…と跳ねたのを感じた。
…だよな。
あの可愛らしい見た目だ。
彼氏がいてもおかしくない…
するとあとから女の子が遠慮なくそのテーブルに参加して…
聞こえてくる会話で、3人が仲良しの友達だとわかった。
意外なほど…ホッとした。
これは…いくしかないだろう。
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