19.

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「…吉良さん、少し話してもいいですか?」 2人きりになって、なんとなく落ち着かなくなってしまった私たち。 友達が来ている間、ずっと甘い雰囲気だった吉良さん。 聞きたいことを聞くタイミングは今しかない…! 「…私って、3年前からずっとその…恋人ってことで合ってますか?」 2番手でもセフレでもないって、吉良さんに言ってほしい。 …違ったとしても、吉良さんから離れられるかは別の話だけど。 「…なに、言ってんだ?」 「…はっ!ごめんなさい…」 「ちがうだろ…」 キッチンに皿を運びながら、私たちは向かい合っていた。 「…恋人どころか、俺は3年前から、結婚も考えてる」 「…え?」 危うくお皿を落としそうになった。 私からお皿を受け取って、シンクに置いてから、そっと抱き締めてくれた。 「この3年、1ヶ月近く会えなかったことが多かったのは、モネの卒業と同時に結婚したかったから…仕事での結果を出すためだ」 「…資格試験を頑張ってたのもそのためですか?」 知ってたのか…と小さく言った。 「…そう。その資格を取れば収入も上がるし、昇進する。落ちたらカッコ悪いから、言えなかった」 ごめんな…と言って、私の顔をしっかり見て言う。 「…モネを不安にしてた責任を感じる。なかなか会えなかったしな。…コトが終わってすぐ1人にしてしまったことも、悪かったと思ってる」 「それは、昨日理由を聞けたから…もう謝らないでください…」 吉良さんに強く抱きついて言った。 「…俺、口下手だし正直女の子の喜ばせ方とか、知らないんだよな」 それなのにやたら言い寄られてきたと、不思議そうに話す。 「…椎名たちに言わせれば、俺は完全に理系の男脳だから、その性格はモテないって言われる」 「…今も言い寄られてるんですか?会社の人とかに?」 「好きだとか付き合ってとか…言われたな。3年の社会人生活で、5~6人か?」 なんとやたら飲みに誘う強気の後輩女子もいるみたいで…! 「…ダメですよ、行っちゃ」 思わず首もとに抱きつく。 「…興味ないし行かないし。だいたい俺にはモネがいるだろ?」 ところでさ…と、吉良さんが続ける。 「…もうずっと前から結婚を考えてるって言ったんだけど、これ一応プロポーズ…」 「…結婚なんて…!」 「…なんて?」
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