867人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
「…おバカなの?それともドジっ子?」
部屋にやってきた吉良さんによって、私は救出された。
「…両方、です」
それより生活感丸出しの部屋と、イケてない部屋着を見られて死にそうなんです…!
今からでもいいから目をつぶって欲しい…
真っ赤になった私の顔を覗き込んだ吉良さんは、鼻の頭と頬に、軽い擦り傷があるのを見つけた。
「薬は?絆創膏?」
「…いえ。私の顔に絆創膏なんてもったいないです…」
…そんなことより吉良さま…目をつぶってくれませんか?
「…何する気?」
うわぁ~っ!
無意識に声に出して言ってた…!
「違うんです…!目を閉じて欲しい理由は決してやましいことではなくてですね…」
…もう何を言ってるかわからない…!
このまま穴を掘って埋まりたい…。
吉良さん、慌てる私を見て、薄く笑った。
「…薬になるかな?」
しどろもどろで真っ赤かの私の顎をスッと掬い…そのまま美しいお顔が近づいてきて、傷跡に触れるか触れないかのキスをしてくるなんて。
…私の顔は真っ赤なゆでタコ。
そして心臓は瀕死状態になった…!
最初のコメントを投稿しよう!