第2章

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『はい』と返事をして出て行った。 …放課後の事だった。 迎えに行けば女達は萌佳を罵った。 『施設で育ってるのだから媚びを売るのは上手いよね』とか『両親がいないから男に媚びるのは早い』など好き勝手に言う。そして萌佳が俯けば―― 俺も怒りに満ちたが、先に怒鳴ったのは來斗だった。 「お前らさぁ、誰の女の悪口言ったかわかってんのか? そこの女達よぉー」 「龍姫に向って言うとはいい度胸だな。」 「萌佳を傷つけるなら、私も許さないよ。」 俺以外の皆が言ってのけた。 1-3の教室で騒いでしまったから、廊下は野次馬だらけ… 「お前ら…そろそろ引きあげるぞ!」 俺と萌佳が先に出た。 「准、あの子達のこと倉庫で知らせろ。」 と言う、匠。 「わかりました。」
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