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『格安の飛行機を乗り継いで、日本に来たんだ。でも、『時谷』グループの会社ってたくさんあるんだね。自宅にたどり着くまで3日もかかった』
『無謀なことをするんだね』
『君に逢いたかったから』
『さっきは迎えに来たなんていったけど、それじゃあ、僕を連れて帰る事はできないじゃないか』
玄関から廊下を通り、奥のバスルームに連れて行った。
『そうだね。だけど、彼の言っていた『愛してくれる人』が僕であるなら、君を寂しい思いから連れ出してあげることができるからね。あながち間違いではないよ』
僕の『愛してくれる人』。それが彼であって欲しい。
空也の言うように永遠にする努力で、それが叶うのなら。
『ジュディー……君を養ってあげるから、僕の『愛してくれる人』であって』
ジュディーは恭しく膝を付くと、僕の左手を両手ですくい、その甲に口付けをした。
『喜んでお受けします』
そしてにっこりと笑った。
ここが狭い脱衣所でさえなかったらと心の底から後悔した。
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