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下から突き上げられて、泣かされて、熱い睦言を囁かれた。
『ロディエル』
抱き寄せたまま名前を呼ばれた。顔を上げようとすると、それを制するように強く抱き締められた。
『本当にごめん』
『何?』
謝られた理由が分からなくて戸惑う。
『すぐに迎えに来られなくて』
そのことかとほっとした。まさかすぐにでも帰ってしまうんじゃないかと、戯れだったと言うんじゃないかと心配したから。
それと同時に、なぜ謝るのかと怒りが湧く。
『本当にね。僕を待たせるなんて、いい度胸だね』
『ごめんね。君はどこかに監禁されているんだろうって思っていて、お義父さんに居場所を聞きに行っていたんだよ』
『それで、キースの会社に行っていたんだ』
『すれ違いになったみたいだけどね』
顔を上げると、ジュディーは苦笑いをしていた。
『アロンに引き止めて置くように言ったのに、君はとても逃げ足が速いって嘆いていたよ』
『しっかり捕まえておかないからだよ』
起き上がって腰に跨って座る。昨日の情事の痕が彼の胸に広がっている。
僕だけのものだという証がそこには残っている。その痕を指先で追う。
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