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第1章 降り続く雨と深まる溝。
西暦2023年06月27日〈水曜日〉
とんとん拍子結婚へとひた走った
夫婦ではありましたが…
愛花里「もう…
私達別れた方が良いわね。」
出逢ってから9年が経ち
夫婦の溝は深まるばかりでした…。
龍「どうして…?」
出逢った時は39歳だった龍は、
48歳になり27歳だった愛花里は
36歳となっていました。
愛花里「どうしてもこうしてもないわ?貴方の両親なのにどうして私が年中無休で介護するのかしら?」
龍の父親である藤原恵吾は脳梗塞となり要介護認定を受けていました。
優以は認知症を患いこちらも要介護認定を受けてはいますが…
龍「世間体が悪いから特養に入れる事なんて出来る訳がないだろう?それに優以さんは晃平の母親だ!」
愛花里「晃平くんは谷間家に婿入りしているでしょ?それに優以さんが小学校卒業した時から龍さんの事を育てていたのではないの?」
愛花里と龍は2人の介護に関する事で喧嘩ばかりしていました。
出逢ったあの日と同じく
外では雨が降り続いていました。
龍「ただでさえ毎日仕事が忙しいのに
どうして…家に帰って来てまで妻からお説教されなきゃならないんだ!?」
龍は寿司屋の仕事をしていて
明朝の3時から夜の22時まで働き…
家には寝る為だけに帰るだけでした。
愛花里「もう…無理だわ…
私達別れた方が良いわね。」
もう1度愛花里が絞り出した言葉に
龍はもう答えようとしませんでした。
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