シーズン1 Keep Yourself Alive 生き残れ!!

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「知ってるよ、この野郎」 「あのブタ野郎、おれたちとの武器取引を死に逃げで棚上げしやがった!! 殺ったヤツを潰さないと警察のメンツ丸つぶれですよ!!」 「落ち着け。もう目処はついてる」 物語上カルエと闘うはずだった所長アラビカは、本日10杯目のコーヒーを部下へ差し出した。 「犯人はカルエ・キャベンディッシュだ。ただ、アイツを潰すには武器が足らん。だからこそのオルタナとの取引だったんだがな」 苛立ちながら、アラビカはコーヒーを流し込む。 「カルエ・キャベンディッシュ……。ランクBの無法者ですか?」 「ああ。最近躍動してる義賊気取りの野郎どもがいるだろ? アイツは、ソイツらを襲うつもりだったようだ」 「なぜそんなこと知ってるんです?」 「アイツらの動向を追ってたら嫌でも分かる。カルエ・キャベンディッシュはいまのところあまり目立たねェが……後々厄介になるのはヤツのほうかもしれん」 「ランクBのギアも持ってない半端な悪党が?」 「これでも不良を見極める審美眼は良いほうだと思うが? というか、そうでなきゃ生き残ってないし、薄給でこんな激務こなす意味がなかろう」 * カルエとルキアは隠れ家に戻ってきていた。 (こんなにもトントン拍子に進むとは、予想外だね……) カルエの中の少年は、これからの計画を立てるために頭を巡らす。今しがた強奪したデバイスと、カルエに入り込んだ少年が持つ、この世界への知識が組み合わされば、次の一手は簡単に思いつく。 ただし、すでに原作を改変している以上、ここから先は未知数だ。 「さて、次はどうするつもり?」 ルキアが尋ねてきた。彼女はまだシックス・センス慣れていない様子だったが、すこしずつ普段通りの落ち着きを取り戻しつつあった。 「そうだな……、まず、この街の勢力図を再確認したほうが良いかな。オルタナが消えたことで、すこしばかりバランスが崩れたはずだ。なら、早めに手を打っておこう」 「具体的には?」 「情報を集めよう。ウィング・シティの裏側でうごめいてる連中の動向を掴むんだ。情報屋を使うしかないな」 「この街で信用できる情報屋なんているの?」 「すくなくとも、ひとりくらいいるさ」カルエは手を頭の後ろに回し、「レイ・ウォーカーとかね。彼はカネさえ払えば、なんでも教えてくれる」
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