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「シャリとガリを間違えてどうする?」
店長にはそんなことで叱られてしまった。
そんなことをしてまた一年過ぎて二年目になった。彼は早く寿司を握ることができるようになりたかったが、だめだった。それは彼の出来が悪いからではなく、寿司屋は修行しなければならないのだった。
「来年になったらガリの作り方を教えるよ」店長は言った。
寿司屋に就職して三年たった。歩いて行ける出前をさせてもらえるようになった。
そんなに出前は多くはなかった。
彼はあいかわらず寿司を握らせてもらえなかった。
当たり前のことだと、彼は気分よかった。
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