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第一章・Jesus Christ Superstar 3ー②
「ウルフっ!……耳っ……かじるなぁっ、あぁっ!」
思わず口から出た裏声に、ジェリーは顔を真っ赤にして、自らの口を押さえた。
だが、その直後にとんでもない衝撃が下半身を襲った。
「やっ……!何でっ?……ウルフっ……、下っ!下っ!何か当たってるっ!」
「お前の可愛い声で、私の性器が勃起したらしいな」
「可愛いって何なんだよ!そんな冷静に言ってるけどっ!ウルフの下半身は、全然冷静になってないから!どうすんだよ……それ!」
スウェットのズボンの上からも分かる程の物凄いサイズに、ジェリーは驚愕した。
ジェリーですら、そこそこに自信のある物を持っていたが、ウルフの(体はレイだが)ソレは想像を絶する物のようだった。
「ジェリー……レイの年齢は幾つだ?」
「18だけど」
「若いな……。自制が効かない」
「自制してくれ~~!」
ジェリーはウルフをトイレに連れて行き、無理矢理中に押し込んだ。
このまま、一緒に寝ていたら貞操が危ぶまれる。
どうしようかとウンウン唸っていると、トイレから出て来たウルフに再びベッドへ押し込まれた。
もう大丈夫かと安心して一息つくと、しばらくして再びトイレに立つウルフの姿を見て、ジェリーは本格的に貞操の危機を感じた。
しかし、今日一日の疲労はかなりのものだったのか、インディアンにゲイっているのか?などと考えている間に、ジェリーにも睡魔が訪れた。
ウルフは、隣で寝息を立てるジェリーの柔らかな金髪を優しく撫でてやる。
あのような邪悪な魂ですら拒否出来ないジェリーは、孤児であるが故の愛情の飢えが、そうさせているのだろう。
自分へ好意を持つ者を拒絶出来ないのだ。
それは痛ましくもあり、愛しくもあった。
レイが体の奥底から、ジェリーを信頼する気持ちが伝わって来る。
だが、この下肢の暴走は、ウルフですら手に負えなかった。
「ジェリー……。お前は、ビジュラ(半陰陽の聖人)か?……もしくはベルタージュ(反社会的半陰陽・男娼)なのか?これ程、男の半身を燃え盛らせるとは……」
とんでもない事を枕元で言われているのも知らず、ジェリーは深い眠りに落ちていた。
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