幸せならそれでよかった

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「すみません、体を壊してしまったのでおやすみください」 会社にも、彼氏にも、世の中全てに嫌気がさしたあたしは会社には休みを貰い彼氏には「別れよう」とだけメッセージを入れてそのままブロックをした。 別にあたしと別れたって浮気相手だか本気の相手だか知らないけどその人がいるしなんとも思わないんだろうけど、自然消滅を狙うと「別れるなんて話してない」とか都合が悪くなったらいいそうなので一応メッセージだけは入れておいた。 そのままブロックをしたから反論の余地はないし、一方的だけど。 それでも昨日のアレをみて気持ちが冷めてしまったあたしにこれ以上関係を続けるつもりは毛頭なかった。 本当は会社だって行くべきなのはわかってるけど、外を見て雨が降ってることに気がついたらもう行ける気がしなかった。 「なんかすっごい面白いことないかな……」 そんなふうにつぶやきながら、SNSをみてるとふと目に入ったストーリー。 「東京遠征!!!」と書かれたその写真は、高校の同級生で、いまはプロ野球選手になっている隼太(はやた)の写真。 そういえば、隼太はクラスのムードメイカーで悲しいことがあってもいつも隼太が笑わせてくれてたなって思い出す。 「え!?陽華(はるか)!?」 なんでだろうか、ストーリーをみて衝動的にタップした彼の電話番号。 きっとまた隼太ならあたしのことを忘れさせてくれる気がしたんだ。
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