303人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
翔吾が自分の気持ちに気付いた時既に遅し。高坂壱成は連日の様に新規契約を取り付けては秋良の元へ申し込み用紙を手渡しに来た。
「はい、チェックお願い」
「お疲れ様です、今週新規契約3件、すごいです!」
「頑張っちゃったよ」
「ふふふ」
それを間近に見る翔吾の眉間には皺が寄り眉は吊り上がった。
「あんたどうしたのよ」
「なんですか」
「ドーベルマンみたいな顔してるわよ」
隣の年配女性社員に指摘され鏡を見ると確かに眉間に皺が寄っている。そこで翔吾はメモ用紙にボールペンを走らせた。
「なに」
そこには秋良と高坂壱成が恋人関係にあるのかどうか知っていたら教えて欲しいと書いた。すると「わかんないわよ本人に聞いたら?」と返って来た。そんな事を尋ねるなど愚の骨頂、その場で一発玉砕する事が目に見えていた。
最初のコメントを投稿しよう!