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急展開
三笠美桜が対応した外線電話1番の相手は秋良が失態を犯したとされる大手企業の保険担当者からのものだった。今回は電話口頭での注意で済ませる筈が三笠美桜の話し口調が馴れ馴れしかった為先方は立腹し、直接会社に謝罪に来るようにと申し付けられた。
「ごめんなさぁい♡」
申し込み用紙の書き損じは伊東秋良、申し込み用紙を回収した営業担当者は伊藤翔吾という事でこの2人で謝罪に行く事となった。面会の約束時間は16:30、直帰でも構わないと村瀬 寿 係長は秋良の肩を叩いた。
「こんな事もあるから、気を付けてね」
「ーーーーはい」
「じゃあ、伊藤くんお願いね」
「はい」
横目で見遣った秋良はやはり納得出来ない顔をしていた。
「大丈夫か」
「大丈夫」
「それでは行ってきます」
「申し訳ありませんでした」
「行ってらっしゃい」
その姿を見送った高坂壱成は書き損じた複数の保険申し込み用紙を訝しげな面立ちで眺めていた。
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