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翌日は互いに身体の具合が優れず其々の家で休んだが、日曜の朝、翔吾は意気揚々と秋良の部屋を訪れた。
「おはよう、なに、こんな早くからするの?」
「人を獣みたいに言うなよ、出掛けようぜ」
「えええ、面倒臭い」
「なに言ってるんだよ!下々の者どもに彼女を自慢したいんだよ!」
「はぁ、面倒」
翔吾はこの前の10,000円札は如何したかと尋ね、貯金箱に入っていると答えると「洋服買おうぜ」と言い出した。
心の声A(スカートかワンピース!)
心の声B(ここはプレゼントしなさいよ)
心の声C(お金無いもん)
秋良は渋々貯金箱から10,000円札を取り出すとそれを翔吾に渡した。
(理解不能だわ、なんで貰ったものを返さなきゃならないの)
翔吾は秋良をバスに押し込むと腰に手を回して吊り革に掴まった。
「ちょ、ちょっとなにするのよ!恥ずかしいじゃない!」
「あいつが見てる」
「はぁ!?」
「あの窓際の男が秋良を見てる、秋良は俺のもんだ」
「あの子、小学生だと思うけど」
その日はこの調子で翔吾は秋良に必要以上に纏わり付いた。
(なに、この変わり様、俺さまは何処よ)
二言目には「秋良」振り向けば「秋良」秋良がパウダールームに立ち寄れば出入り口で待ち構え、他の客に怪訝な顔で見られた。
「これにするわ」
「なんか制服みたいじゃねぇか」
「ふわふわのスカートよ、これで文句ないでしょう」
気疲れした秋良はファッションフロアで早々に開襟のシンプルなワンピースを選んで10,000円札を店員に手渡した。お釣りは数百円だった。
「ピンクにすれば良かっただろ」
「まさか!ワンピースなんて中学生以来よ、恥ずかしい!」
「紺色」
「紺色でも十分よ!」
「明日、会社に着て来いよ」
「え」
「いや!着て来るな!」
「どっちなのよ」
心の声一同「秋良の初めては俺だけのもの!」
結果、10,000円もしたワンピースは室内だけでの着用が許された。
「なんなのよもう」
そして翔吾はワンピースの胸のボタンをひとつふたつと外し手を中に滑り込ませた。指先がブラジャーの隙間からやや硬くなった乳首に触れた。
「秋良、良い?」
「良いもなにもやる満々じゃない」
翔吾は枕元にコンドームを2個準備した。
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