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あの衝撃が、今も忘れられない。
キラキラキラキラ、夕陽を反射して、残った青空を反射して、何だかいつもと違う道に変身してた。
水たまりが、魔法の泉みたいに湧き出てきたように見えたんだよね。
「うわ〜!」
ひとりなのに、恥ずかしげもなく叫んでた。
ひとつひとつしゃがみ込んで、覗き込むと、虹が見えたり、ゆらゆらと温泉みたいにゆげが出てたり。泡ポコが、ぽこりぽこりと出ていたり。
メガネのせいで、空を仰げない。
下ばかり見てた。
フンコロガシが、忙しそうに通り過ぎて行った。
アリンコたちが、夕飯時なのかタクタクタクと大名行列みたいに列を作っているのを、飛びこして。
「うわうわうわ〜!」
メガネの世界に、没頭してしまった。
遅くなって結局ママに、何してたのよ!と怒られたあの日。
懐かしいあの日々。
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