プロローグ

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プロローグ

元気にしてる?と、言われたら、元気じゃないですと僕は答える。 妻の彩(あや)が急死してから、僕に『元気』は失くなったからだ。 仕事も辞めて、自宅に引きこもって生活が破綻した。 暗闇の中でうずくまり、このまま一生を終えるのだと思った。 そんな僕に、とてつもない転機がおとずれた。 自宅のバスルームが異世界へとつながったのだ。 そこからの出会いは、僕の生活を大きく変貌させた。 そうして異世界にあるドラッグストアの『セラピストア』で 店員として働くことになった。 僕は少しずつ、少しずつ、通常の、いや、風変わりな社会人として 人生の再出発を始めることになる。 自宅から異世界へと通勤しながら。
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