悠乃優也

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「さて、働くからには、身なりも整えないとね」 「あっ、そうでした......」 髪が無造作に伸び放題で無精ヒゲまであるのを忘れていた。 「床屋さんしてあげる、こっちの部屋においで」 言われるままについて行ってみたら、広い部屋にきた。 モース博士が端に置いてあった椅子を出してきた。 「ここは休憩室であり、私の実生活でも使うところ。 座りなさい。ヒゲを剃って髪を切ってあげる」 「え?そんな急に!」 「私の発明品だよ、自動的に髪型を変えられる。 どんな風にしたいか、頭の中でイメージしてみて」 えっと、彩が似合うと言ってくれていた髪型......。 そこで頭の上から顔までバスタオルをかぶせられた。 それをスッと、取り払われた。 「えええええっ!」 あっという間に短髪でヒゲは無くなっていた。 しかも髪を洗った後のような清潔感がある。 「ふむふむ、イケメンさんだ。店員映えするねえ」 いかにファンタジーな世界なのか......改めて知らされた。
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