悠乃優也

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彩のそばには割れた鉢植えがあった。 クロッカスだ。 「クロッカスの鉢植え、花がもうすぐ咲きそうなのよ。 優也さんの部屋に置いてあげるね」 彩は朝に言っていた。 僕の好きな花、クロッカス。 それを二階に持っていこうとして階段から転落したのだ。 僕のせいだ。 僕のせいで彩は死んだ。 僕の好きなクロッカスを運ばなければ、彩は死なずにすんだ。 僕は自分を責め続けた。 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、
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