悠乃優也

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「自己紹介が遅れました。私の名前はモース。 ドラッグストアの店主であり発明家なので、モース博士と呼ばれます」 「あ、悠乃優斗です」 「どうも。悠乃さん、唐突に聞きますが、いま元気ですか?」 「え?いいえ、元気じゃないです」 「そうですか、それでヨコクチと波長が合ったのでしょうね。 ヨコクチは悲しい体験をしているのです」 「波長?」 「はい。私たちの住む世界はナカツクニといいます。 あなたがいま住む世界とは別の次元、いわゆる異世界です」 「異世界って!」 「ちょっと、ゆっくり話しませんか?こちらの世界へどうぞ」 モース博士が片腕を大きく振った。 すると湯船が大きく唸りをあげて波立ち、バスルームに緑色の ドアが出現した。 「さあ、どうぞ」 モース博士がドアを開けた。 よくわからないままにしたくなくて、僕はドアをくぐった。
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