雨はいつか上がるから

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 バスの窓の外。雨はだんだん小降りになってきて向こうの空が少しだけ明るくなってるのが見えた。  またなんとなく私はあの時の事を思い出している。  バスの窓に打ち付けていた雨粒が筋になって下に流れていくのをボーっと眺める。  横顔に視線を感じて隣を見ると彼がこっちを見て笑いかけた。照れながら笑顔で見つめ合う。 「雨、上がりそうだね。」  今日もいい日になりそう。  だって彼は雨男だし、私は雨女だから。  バスが駅につく頃には空はもう明るくなってた。  あれから私は雨の日が好きになった。雨が上がるこの瞬間が私は何よりも好き。  だって今でもこうしてこの素敵な彼と出会ったあの頃の事を、雨が上がるたびに思い出すから…。
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