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雨のせいにしてた
バスを降りると、パラついていた粉雪はみぞれから雨に変わってた。電車に乗って大学の試験会場に向かう。最寄りの駅で電車を降りた。
だいぶ早く来すぎたな。近くのカフェで参考書に目をやりながら時間をつぶす。
小一時間ほどしてカフェを出るとみぞれから変わった雨がしとしとと降っていた。道の角にボランティアの学生さんたちが傘をさし寒いなかプラカードを持って立っていた。
受験生の生徒たちの案内をしている。
学校が遠くに見えてくる頃にはもう雨は霧雨のようになってた。むこうがぼんやり霞んでみえた。
なんだ、今日はもうすぐ雨も上がりそうだし、なんかついてるじゃん。もう、雨のせいなんかにできないな。
なんて少しポジティブに考える私がいる。
商店街を越えた辺りでまた案内係の学生さんに目が行く…。
あれ?なんか、あの大きな傘のあの姿…。
「あ!やっぱり君か!うちの大学だったんだ。」
嬉しそうにそう声をかけてきたのはさっきバスで一緒になったあの彼だった。
「ほらね。俺は雨男だって言ったろ?
雨の日はやっぱりいいことがあるんだ。」
「え?」
「君が合格して入学してくるの、楽しみにしてるよ。だから頑張って!」
なんか、急に元気が出た。
雨女の私が雨の日に、いいことが起きた。雨の日は最悪だっておもってたけど。いいこと、あった!
もう、頑張るしかないじゃん!
空が急に明るくなってきた。雲の合間からお日様の光が漏れてる。
もう、雨が降ったって雨のせいなんかにしない。
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